胎児スクリーニングは親になる自覚の第一歩

通常のエコー検査では診られない細かい異常まで検査できる胎児スクリーニング(胎児ドッグ)。最近は日本でも一般化してきたようですが、保険が効かなかったり、施設が少ないことから混み合っていたり、なかなか受診しづらい状況のようです。

私が受けてきた限り、胎児スクリーニングは親になるにあたって、とても大きなメリットがありました。

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胎児スクリーニングとは

胎児スクリーニング検査とは、胎児超音波スクリーニング検査とも言われており、超音波診断装置(エコー)を使用して胎児の発育を診る検査のこと

これだと普通のエコーと一緒?と思うかもしれませんが、胎児スクリーニングで使われるエコー機材は通常の機材より高性能で、脳の血管や心臓の壁などより細かい部分まで検査可能です

胎児の2%〜4%に先天性異常が見られると言われていますが、胎児スクリーニングを行うとなるべく早い段階で胎児の異常を発見できる確率が高まります

一般の産科医ではなく、有資格者でないと診られない専門分野のため、いつものクリニックとは違う専門施設で受診する必要があります。私が通っているのはCarnegie  Imaging for Womenというところで、32nd StreetとMadison Avenueの交差点近くにあります。(アッパーイーストにも施設有)

ちなみに…Carnegie Imaging for Women外観

雑居ビルの10階にあります。ビルの入り口はこんな感じ。

carnegie_entrance

エレベーターの階数表示がオシャレです。

carnegie_elevator

オフィスの入口。

carnegie_door

待合室の様子。ここもカップルで来ている人が多いです。

carnegie_inside01

carnegie_inside02

スクリーニング検査は確率論

まず理解しておかないといけないことは、あくまでスクリーニング検査とは確率を出す検査であって、確定診断ではありません。今までの症例と両親・親族の病歴、ほかのさまざまな要因を基に異常がある確率を算出します。

従ってもし何らかの染色体異常の高確率が出た場合でも、◯分の1という確率論であり、診断を確定するには絨毛検査や羊水検査など追加で受診する必要があります

こういった検査の違いをきちんと説明しないまま「胎児スクリーニングは倫理に反する」とか「中絶率が増える」とかお門違いの議論をして、全ての妊婦さんの知る権利を奪う日本の産院システムと産科医は正直終わってるなと思います。

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検査時期と内容

検査は妊娠初期、妊娠中期、妊娠中後期にわけて行うところが多いです。

※あくまで私が受けた週数と一般的なアメリカでの検査週数なので、予約される病院の概要を適宜確認するようお願いします!

初期胎児スクリーニング/First Trimester Screening

検査時期:妊娠11週〜13週
検査内容:血液検査、エコー検査
検査対象:ダウン症(21トリソミー含む)、18トリソミー、13トリソミーなどの染色体異常

12週頃から絨毛検査が可能なので、それに先がけて11週頃から受診できます。「妊娠8週以前は診察お断り!!病院選びの注意点まとめ」でも紹介したように、アメリカでの初診は基本的に8週以降となりますが、初診を無事に済ませるとまずは胎児スクリーニングの予約を取るように勧められます

どこの産婦人科もスクリーニング施設と提携している場合が多いので、紹介状を書いてもらい、スムーズに診察までこぎつけることができます。

この初期に特に重要なのがNTと呼ばれる首の後ろのエコーで黒く見える部分の厚さで、この厚さが各異常の確率を判断する材料の一つになります。

中期胎児スクリーニング/Second Trimester Screening

検査時期:妊娠15週〜20週
検査内容:血液検査、エコー検査
検査対象:ダウン症(21トリソミー含む)、18トリソミー、13トリソミーなどの染色体異常に加え、二分脊椎症などの神経系異常、先天性の心疾患や身体的欠損など

胎児がある程度育ってきたことで、初期胎児スクリーニングでは発見できなかった異常や所見を発見することができます。15週頃から羊水検査が可能なので、万が一に備えて15週以降のなるべく早い時期にスクリーニングを受けるように勧められます。

中後期胎児スクリーニング/Second Trimester Screening, Growth Screening

検査時期:妊娠20週頃→28週〜30週頃にフォローアップ
検査内容:エコー検査
検査対象:左右の脳の大きさ、心臓弁の働き、骨・筋肉の発育状況など多岐にわたる細かい部分

体の器官がほとんど完成する時期なので、さらに細かい部分を診ていきます。例えば心房が4つあるか、耳は正常な位置についているか、脳と頭蓋骨の隙間の距離、四肢の長さ、各内臓の大きさなど…かなり多くの項目を検査します。

また、20週では成長しきっていない部位を確認するために、Growth Screeningと呼ばれるフォローアップを28週〜30週頃にしてくれます。

胎児スクリーニングで気付かされたこと

医学の進歩によって、出産前のエコーだけでもこれだけの異常を発見することができます。

でも受ける前に考えておくべきなのが「もし異常があったら?」ということ。私は単純に「受けられるものは受けておこう」という考え方で胎児スクリーニングを受けていましたが、実際に受けると予想もしていなかった検査結果で余計に心配することになり、すごく悩みました。

新型出生前診断との兼ね合い

私は妊娠10週で新型出生前診断(NIPT, Non-Invasive Prenatal Test)も受けていて、その結果、あるマイナーな染色体異常で高確率が出ていると言われました。ただこれは症例が少ないため偽陽性の疑いも高く、羊水検査でも障害の程度はわからないということだったので、結局羊水検査をせず経過観察することを選びました。(このあたりは無事に出産が済んだら別記事にしたいと思っています)

幸い29週に至る今まで何の所見も見つからず、偽陽性だろうと先生も話しています。

ただこのNIPTの結果を受けて、全ての胎児スクリーニングで通常以上に厳しいボーダーラインを設けられています

小脳と頭蓋骨の隙間が大きい?

20週の胎児スクリーニングで指摘されたのは、小脳と頭蓋骨の隙間が11mmだということ。通常は10mm前後で、15mm以上だと水頭症のリスクが高まるそうですが、私はNIPTの結果があったので、ニューヨークで一番腕がいいという胎児MRIを受けることを勧められました。※胎児MRIは放射線の影響はないとされています

Hudson Valley Radiology Association of West Chesterという施設で、マンハッタンから電車で1時間ほど北上したウェストチェスターという地域にあります。

3時間ほどかけて胎児MRI(+心臓の検査。事項参照)を行いましたが異常は全く見つからず、これ以上隙間が広がるようであればまた考えましょうという結果になりました。

もしかしたら心疾患が?

NIPTで高確率と出た染色体異常は先天性の心臓疾患を持っている確率が高いので、HVRA of West Chesterに行くなら同時に受けるべき、ということで心臓疾患を調べる超ハイパー精密エコー検査も受けることになりました。

これでもか!というほど心臓の弁、血管、大きさ、働きなど事細かに調べてくれ、こちらも異常なしでした。

こうやって検査が終わって何でもなければ笑い話なんですが、結果が出るまでは本当に生きた心地がしないぐらい心配になります…。

尽きない心配の種

ただでさえ順調に育っているのか不安になる初めての妊婦生活なのに、これだけたくさんの検査に引っかかってしまって、私はすごく不安でした。

たぶん胎児スクリーニングを考えている人は、「安心するために」受ける人がほとんどだと思います。「異常を見つけるため」ではなく、「異常がないことに安心するため」。私もそうだったんです。

でも実際はそうじゃなかった。今はある程度心穏やかに暮らせていますが、当時は羊水検査や染色体異常の症例、出産後のサポート体制まであるとあらゆることを狂ったように調べました。中絶も考えなければ、と思ったこともあります。

こういった状況に耐えられないから胎児スクリーニングを含む出生前診断を受けない、という人もいるかもしれません。

親になる自覚が強くなった

それでも私は検査を受けなければ良かったと思ったことはありません。それは今、順調に育っているように見えているからかもしれません。出産後に何か異常が見つかれば心境が変わるかもしれません。

だけど医学は日々進歩していて、胎児スクリーニングでないとわからない異常が確かにあります。それを知った上で、「産む/産まない」という根幹の選択から、妊娠中にできる治療はあるのか、産後をどうするか、など綺麗事ではない現実を夫と話すきっかけになったからです

もちろんケンカもしたし、意見が食い違ったこともありますが、今は必死に支えてくれていた夫に感謝していますし、この何回もの話し合いを通じて「夫婦で子育てをしていく」実感ができたと感じています。

もし通常のエコーだけで「順調ですね〜」と言われ続けていたら、私自身、ここまで『順調な妊娠は奇跡』だと思えなかったと思います。当然のように赤ちゃんは育っていって、順調に産まれるというのは勝手な思い込みでした

それに気付けたことが、胎児スクリーニングを含む出生前診断の大きなメリットでした。

産んでからのほうがもっと大変なんだろうと思います。出産前にわかる病気は全体の2〜3割だということも知っています。それでも「親はこんなにも子供が心配なんだ」と改めて気付かされた大切な期間でした。

保険適用外の日本の今後

アメリカでは全妊婦に胎児スクリーニングの受診を推奨しているため、保険でほとんどカバーされます。私に限れば、今のところ全額カバーされています。

一方、日本は保険適用外で任意受診のため、金額を理由に受けられない人も多くいます。公費助成金が出る自治体もあるようですが…。

あるかわからない異常の検査に毎回何万円も払うのって言うなれば「子供への投資」です。投資するかは夫婦の考え方ひとつ。金銭的な事情、考えの相違、地域的格差、いろいろ理由があります。「絶対したほうがいい」と強制もしたくありません。

それでも、私はできるだけ多くの妊婦さんが無料に近い金額で胎児スクリーニングを受けられる環境が日本でも整ってほしいと願っていますし、主治医の顔色を伺って内緒でスクリーニングの予約を取るなんてバカバカしい風潮が早くなくなって、妊婦さんの権利をきちんと享受できる社会になったらいいなと心から思います。

産後、少しでも妊婦さんやママさんのためになる活動をしていくために、今はまずブログの発信をして、並行して勉強と情報収集をしていかないと、と心に誓ったのでした。

まとめ

本来、全ての妊婦さんは主治医から受診可能な全検査の情報が知らされるべきです。そしてその情報を鵜呑みにせず、各々が自発的に選択するのがあるべき姿かなーと偉そうに言ってみます。

ちょっと真面目に書いてみました。少しでも胎児スクリーニングに悩んでいる方の助けになったら嬉しいです(´・ω・`)

ではRyo@nydewebdesignでしたー!

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