こんにちは 🙂
私が細々と進めている「液体ミルク個人販売」ですが、記事がご縁で液体ミルクプロジェクトの末永恵理さんとお会いすることができました。
しかし日本での個人輸入は思わぬトラブルが起こることもあるようです。
今後、液体ミルクの個人輸入を考えている方のために、末永さんからお伺いした現在の問題点と、実際のトラブル事例を参考までに書き留めておきたいと思います。
液体ミルクプロジェクトとは
このブログを読んでくださっている方は既にご存知の方が多いと思いますが、末永恵理さんが代表で始められた液体ミルクプロジェクトは、「お出かけや災害の時に赤ちゃんがすぐ飲める乳児用液体ミルクを、日本でも製造・販売してください!」という呼びかけをもとに、日本国内での液体ミルク製造・販売を推進するためのプロジェクトです。(リンク先から署名ができます)
Facebookページはこちらです。
末永さんとの繋がり
そして私のブログの読者さんの中で末永さんとお知り合いの方がいらっしゃり、運良く昨年11月の一時帰国の際に直接お会いする機会を設けてくださいました。
末永さんは見た目はホワーっとしたとても優しいお母さんという印象ですが、お話されること、考えていることはとても芯が通っていて、さすが行政を相手にプロジェクトを進めていらっしゃるだけあるなぁ、と感じさせる、非常にエネルギッシュな方です。
そして私が個人販売をしていることについても応援してくださっていて、日本では何が問題なのか?どうしてこんなに認可に時間がかかるのか?という疑問を丁寧に解説してくれました。
国内製造・販売認可への障壁
液体ミルクプロジェクトは国内での液体ミルク製造・販売認可を求めて内閣府、厚生労働省、消費者庁、農林水産省などの行政と意見交換をしたり、署名提出をしています。
保育所問題と同じく、単純に足りないなら作ればいいじゃないか?という意見が噴出するところですが、そうはいかないのが日本のお堅いシステム。
液体ミルク認可の障壁となっている点は2つあり、ひとつは国内での製造が認められていないことで、もうひとつは国内での販売が認められていないことです。どちらのルートにも掛け合う必要があるため、さらに認可に時間がかかってくるのです。
さて、一見同じように聞こえるこの問題ですが、製造できなくても販売が許可されていれば、正規輸入品・並行輸入品として国内で販売することができます。
しかし国内での販売認可がない = 海外メーカー品の正規輸入販売もできないため、液体ミルクは個人輸入に頼らざるを得ない状況になっています。
まずは販売許可だけでも!
例えば販売許可だけでも下りれば海外メーカーの既製品を正規輸入して販売することができるので、個人輸入よりはるかに安価な販売が期待できます。
しかし、それさえもできない現況では、例えば液体ミルクの試飲会というのも実現が難しいです。
例えばひとり2本まで液体ミルクが無償でもらえる(もしくは定価、割引価格で購入)試飲会があれば、商品を試してみたい消費者・実際のニーズを聞きたい行政・消費者の意見を聞きたいメーカーと、全員のメリットが一致し、日本の液体ミルク製造に追い風が吹くんじゃないかと思って末永さんに聞いてみたんですね。
でも赤ちゃんの健康にかかわる商品なので、何か問題が起きた際の責任の所在などの観点から、今のままではそういったイベントの実現すら難しいようです。
ちょっと試してみたいだけなのに、海外からまとめて購入するのってハードル高いですよね。。
病院でもらえる粉ミルクのサンプルみたいにちょっとだけでも配れたらいいのに。
日本国内での販売ルートはすべて違法
では、Amazonや楽天などの大手モールで液体ミルクを販売したり、輸入代行業者を使って国内で販売する行為…
実は日本の法律に則ると、現時点ではこれらの販売行為はすべて違法なんです。
ひとつひとつ説明していきますね。
国内での液体ミルク販売
まず、入手した液体ミルクを国内で販売することはアウトです。
しかしAmazonや楽天で液体ミルクを出品している人・業者がいくつかありますよね。
これらも実は違法行為にあたるので、行政が本気を出したら何かしら取り締まられる可能性があります。(現時点では脱法ハーブみたいに危険があるわけじゃなく、優先度が低いので放ってあるだけでは?と思われます。※個人の見解です)
海外拠点・輸入代行を通じての個人輸入
別の購入方法として、海外でしか売られていない商品を代理で購入(または住所を貸して代理で受け取る)して、日本まで発送してくれるモールテールなどの輸入代行サービスが人気です。
液体ミルクもこういった業者を通じて入手されている方がいるようです。
ですが、輸入代行業者(もしくは海外に拠点を持つ日本企業)が個人・企業宛を問わず日本向けに液体ミルクを発送することはクロに近いグレーです。日本で販売許可がない製品を企業として取り扱い、発送することが違法かどうか、というのが争点でしょう。
そしてこの個人輸入方法にはもうひとつの問題があります。
それは、日本へ輸入が禁止されている商品は輸送業者が取り扱えないということです。
実は先日「個人で液体ミルクを輸入しようとしたが代行業者に断られたので、私から購入したい」というお声をいただきました。
断られた理由と経緯にとても興味があったので、代行業者から購入者さんへのメールを転送していただくと、下記のような回答でした。(ブログへの掲載許可はいただいています。ありがとうございます!)
液体ミルクの配送の件につきまして、アメリカのヤマトから問い合わせが届いております。液体ミルクの場合日本では輸入できない商品になるため、今回の商品は発送不可能だそうです。
確かに、輸送業者は税関で取り締まられるとわかっていて送るなんてアホなことはしませんよね。
結局今回は購入した液体ミルクは代行業者からアメリカAmazonに返品してもらい、代わりに私から購入することになりました。
こういった業者を使っての個人輸入を考えている方は、輸送業者/代行業者から取り扱いを断られる可能性があることを覚えておく必要がありますね。
法の抜け穴?それとも見て見ぬふり?
この件で末永さんにも意見を伺ったところ、実は末永さんも以前ヤマトUSAに問い合わせをしたことがあるそうで、その際も一律乳製品の取り扱いできないという回答だったそうです。
でも実際は◯通などの他の輸送業者を使って輸入している業者があります。
これは輸入する側が虚偽の申告をして税関を通しているのか、あくまで個人のやり取りであると装って輸入しているのか、それとも業者側が見てみぬふりをしているのか…それは私にはわかりません。
私が知らない抜け道なんてたくさんあるでしょうし、目くじら立てて取り締まるほどのことでもないかもしれませんしね(^^;
個人→個人はOK
そして私が行っている個人販売は違法じゃないのか?ということですが、これは海外在住の個人(=私)が希望する方に実費と手間賃で送ります、ということなので問題ないという見解で一致しています。
これを例えばビジネスとして法人化したり、日本に拠点を作ってそこから発送するとなると怪しくなってきます。
うーん、難しいですねー(´Д`)
輸送費が一番かさむところなので、実家に送っておいて輸送費削減しようかとも思ってたのですが、そうするとグレーな行為になってしまうようです。。。
やるかやらないかはアナタ次第
でもこういったビジネスって大規模じゃないから見つからないだけで、グレーな感じでやってる人たくさんいると思うんですよね。私もやろうと思えば実家を拠点に販売できるだろうし。
私が今回この記事を書いたのは、「違法で液体ミルク売ってる業者やめろ!」とか「私からたくさん買って!」とかw、ではなくて、個人で輸入する際に何が問題になるのか・こういったトラブルになる可能性があるよ、というのを明確にしたかったのです。
それを理解した上でAmazonから買うもよし、代行業者を使うもよし、個人の自由です。
最終的には日本でのニーズが認められ、早く製品化・販売が進めばいいなぁと思っていますので、まだの方はぜひ液体ミルクプロジェクトに署名していただき、たくさんの声を行政に届けていきましょう。
もし私からの個人輸入に興味がある方はこちらの記事を参考にしてください。
「液体ミルク 個人輸入」でGoogle検索すると2番目に出てくるようになりました^^
//www.nydewebdesign.com/formula-export/
まとめ
あっという間に大きくなってしまう赤ちゃんは、液体ミルクが必要な時期もほんの少しです。
でもその少しの間だけでも液体ミルクという選択肢が増えることは、育児の大きな手助けになります。ぜひぜひ早い認可が待たれます。
今日はちょっと真面目なお話なRyo@nydewebdesignでしたーヽ(´ー`)ノ